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詩(ポエム)

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いざないとなると

作: Tacones altos


息子たち、よく聞け。
いざないとなると困るもの、それは試験のときの消しゴムである。儂はいくつもの私立大学を受けたが、2月28日に最後の試験を受けることとなった。滑り止めだったのだが流石に疲れ果てていた。日本史のテストの制限時間は今まで受験した大学はどこも60分だったのだが、この大学だけは何故か80分でだった。全てオーソドックスな問題だったし、問題数もさして多くはなかったので、15分ほどで書き上げてしまった。頭を冷やそう、冷やしてから、もう一度答案を見直すことにしよう、そう思って頭を机の上に伏せたのが運の尽き、いや運の付きだったのかもしれない。眠ってしまった儂の魂は静まり返った試験会場を浮遊していたが、ふと、一人の女子受験生を目にして釘付けになってしまった。女の子は顔を紅潮させ涙ぐんでいるように見えた。消しゴムを忘れてきたみたいで、指先に唾を付けて消そうとしているようだが、全体が黒ずむだけでどうにもならない様子だ。儂が彼女の前に消しゴムを差し出すと、お礼も言わないで受け取って、必死で消しまくっていた。と、チャイムが鳴って、儂は初めて自分が眠っていたことに気が付いた。そんなこんなで試験は終わり、合格発表の日がやってきた。儂は既に本命も第二志望も受かっていたので、わざわざ見に行く必要もなかったのだが、キャンパスはどこの大学よりも素敵だったので、何となくもう一度行ってみたくなったのだった。すると、驚いたことに、あの時夢の中で消しゴムをあげた子が、発表を見に来ていたのだ。合格したみたいだ。どうも第一志望だったみたいで、心から喜んでいる様子だ。ふと、儂に気づいたよな素振りをみせたが、その顔は引き攣っているように見えた。儂は彼女に近づいていって、ついつい手を差し伸べて「よろしく・・」って言ってしまった。この言葉はけしてけすことが出来ない
言葉となってしまった。たとえ消しゴムでもだ。勿論、お前たちもそうだ。しかし、いざないと困るのだ、消しゴムは。よくわかったか、消しゴムでも消せない我が過去達よ、息子たちよ。

※この詩(ポエム)"いざないとなると"の著作権はTacones altosさんに属します。

作者 Tacones altos さんのコメント


消しゴムは大事ですが、消せないものもありますからねえ・・。

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